開業を目指すなら?行政書士試験の発表までの時間の使い方

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行政書士開業を目指すなら!合格発表までの時間を有効に活用しよう!

行政書士試験が終了し、自己採点をされ、ご自身の状況把握を終えられた方もおられるのではないでしょうか。

  • 行政書士試験合格確実な方
  • 残念ながら合格ラインに届かなかった方
  • 合格ギリギリラインや記述式の得点に望みをかけている方

三者三様、それぞれの気持ちを持ち、行政書士試験の合格発表を待っておられることでしょう。

他ページで、合格発表までにやっておきたいこと、という時間の使い道に関する記事を掲載しました。

その記事でも書きましたが、行政書士試験合格発表までの約2か月ちょっとの期間、それだけの時間があればどれだけのことが出来るでしょうか?

例えば、肢別過去問集であれば、2,3周、人によってはそれ以上周回することができます。

これだけの勉強量が、行政書士試験にどれだけ影響を及ぼすか、実際に受験をされた方であれば十分に身に染みているのではないでしょうか。

何事も行動を起こさなければ、何も始まりません。

では、行政書士試験の合格発表を待つこの期間は、どうしたらいいのでしょうか。

  • 何を考えたらいいのか
  • 何を準備したらいいのか

今回はその中でも、合格後開業を目指す方向けに、行政書士試験発表までの約2か月ちょっとの間に、やれることをピックアップしてみました。

行政書士試験合格発表までの間の、貴重な時間を有効活用できるよう、少しでも何かのヒントになれば幸いです。

目次

行政書士試験発表までの時間をどう使う?

長く苦しい受験勉強の末、行政書士試験が終わり、合格発表までは約2か月程あります。

この期間を長いと感じるか、短いと感じるか。

なり

その感じ方は、その期間をどう過ごすか、どう活用するかで変わってくるのではないでしょうか。

そしてこの行政書士試験合格発表までの期間を、有効に活用することで、合格後のスムーズなスタートが可能になります。

本記事では、この時間をどう有効に使えるかをまとめていきたいと思います。

ここがポイント
  • 行政書士試験合格後の目標を明確にする
  • 行政書士としての基礎知識を深める
  • 行政書士登録から開業までの流れを調べる
  • 行政書士試験合格を想定した業務のシミュレーション
  • 他に必要な資格やスキルを検討する
  • リフレッシュも大切!適度な休息で次に備える
  • マーケティング戦略、顧客獲得の準備を整える
  • 行政書士の同業者や関連業界とのつながりを作る
  • 具体的なビジネスプラン、行政書士開業計画を立てる

まずは行政書士試験合格後の目標を明確にする

なり

まずはこの目標、自分が目指す方向性がはっきりしなければ、なかなかやることを絞り切れませんよね。

この行政書士試験の合格発表を待っているこの期間にこそ、それを考えてみることがおすすめです。

合格発表という大きな区切りがあるので、今こそ今後の身の振り方を考える、良い機会なのではないでしょうか。

自己分析をしてみよう

自己分析というと堅苦しい感じになってしまいますが、まずは行政書士試験合格後に、自分が、

  • 何をしたいのか
  • どうしたいのか
  • どうなりたいのか

のように、夢や希望を考えてみよう、ということです。

ここで開業を目指す方であっても、それぞれの進路が分かれてきます。

なり

これだって、自己分析の1つです。

すぐ開業したい、いつか開業したい、気持ち
  • 行政書士試験合格後、すぐ開業したい
  • お金をためて、生活や仕事の様子をみて、数年後開業したい
  • 定年間近、定年後に開業したい
  • いつか開業したい

このように遅かれ早かれ、現時点では行政書士を開業したい希望を持つ方もいらっしゃる他、

  • どうしようか迷っている
  • 他の資格や今の仕事のステップアップをしたい

現時点では、行政書士試験の開業に、直に直結する考えを持っていない方もいらっしゃるでしょう。

今回は行政書士開業をテーマにしているので、後者の内容は省かせていただきますが、行政書士の資格は、すぐに開業しなくても消えません。

機会損失の観点から考えると、早く開業することが良いと言われることもあります。

なり

でも私たちには、現在の生活があります。

豊富な資金力があれば、すぐにでも開業に踏み切れることが可能でしょう。

ですが、

  • 家族がいるから不安定な開業に踏み切れない
  • 生活にお金が必要だから、今の仕事がやめられない
  • 家族からの理解が得られない

開業したくても中々踏み出せないことだってあります。

資金繰りができないと開業なんて無理、ここで思い切れないなら開業なんて無理。

こんなことを言われることもあるかもしれません。

なり

せっかく開業しても借金まみれ、生活できない、即廃業!
なんて本末転倒!
何の罠かっ!ってなっちゃいますよね。

これらのことを踏まえて、考えをまとめていくとっておきの時期が、この行政書士試験の合格発表待ちの、今なのです。

なり

そもそも合格証書を手にしないと、行政書士に登録できませんしね。

本当に基本的なことになりますが、まずはこの行政書士を開業するか、いつするか、悔いの無い選択になるように、じっくり考える良い機会であると思います。

行政書士を開業すると決めたなら

ここでは直ぐに行政書士を開業する方だけに留まらず、開業を予定している方も考えてみてください。

  • どの分野を専門にしたいか
  • どんな働き方を目指すのか
  • 独立開業か、補助者として経験を積むのか

どの分野で行政書士として活動していきたいかは、諸先輩方のブログやSNSなど、参考になるメディアがたくさんあります。

行政書士開業直後はよほどの伝手がなければ、他の職種同様、すぐにご依頼者様(お客様)が来て下さる訳ではありません。

専門分野にこだわり過ぎて、八方ふさがりにしてしまうことはできませんが、大まかにでも経営プランの1つとして、専門分野に目星を付けておくことがおすすめです。

実際に活動してみて、方向性が変わることも大いにありますが、ゼロよりも枠があった方が、計画がしやすく、何より動きやすいからです。

そもそも行政書士が扱える書類の数は、1万種類以上と言われており、頻繁に発生する書類だけ見ても、多岐に渡るのは想像がつきます。

手あたり次第こなすのは現実的ではありませんし、専門を極める方が、依頼者様(お客様)も行政書士を選びやすいと言えます。

ただ、地域性により、様々な分野をこなせるほうが有利な場合もあるので、この辺りも加味して、イメージを膨らませることがおすすめです。

次に働き方としては、行政書士の開業を、それ1本で経営する他、副業からコツコツ始めることも選択肢の1つです。

すぐにご依頼者様(お客様)は来ませんし、経営が安定するとは言えません。

現在の職場が副業OKであれば、また、副業OKの職場に転職も加味して、考えるのもありです。

なり

いくら行政書士を開業しても、お金がなければ生きていけません。
物価も高いので、お金は減るばかり!

また行政書士は登録をすると、様々な講習会などに参加できます。

行政書士に登録したことで、先輩や同期との交流も生まれるかもしれません。

ですが行政書士は、法律系資格の中では特に開業色が強い資格ですが、育成の観点からいうと、他の資格よりもちょっと放置系です。

司法試験は司法試験合格後、司法修習があり、そこで実務に関連したことを学び、二回試験という試験に合格しないと、弁護士・裁判官・検察官になれません。

また司法書士も新人研修で実務を学びます。

行政書士にももちろん研修はあります。

ですが職域が広い分、この辺りがレクチャーしにくいという面があるので、なかなか他資格のような、実践的な実務研修は難しいのでしょう。

いきなり実務は吐きそうなほど不安になるので、研修を受けてもいまいち不安です。

そこで行政書士補助者の道を探す考えが浮かびます。

ハローワークにも求人が出るので、ハローワーク含めた求人を見ると、

  • 求人数が少ない
  • お給料が安い

また補助者になっても事務仕事ばかりで、実際の行政書士の職務が見えない、という場合もあると、体験談を読んだことがあります。

この辺りも加味して、補助者の道を選ぶか検討が必要です。

行政書士試験発表までの間に、行政書士としての基礎知識を深める

行政書士試験合格発表までの間に、行政書士の仕事に役立つ知識をこのタイミングで学んでおくのは、良い機会です。

  • 民法や行政法の実務的な活用法
  • 業務に関連する最新の法改正情報
  • 実際の行政書士の業務事例を調べる

2024年行政書士試験から、一般知識が基礎知識に変わり、行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令が試験範囲に加わりました。

そのためこの辺はすでに勉強されている方も、多いことでしょう。

行政書士を開業するにあたり、行政書士法など実務に関連しそうな部分は、勉強しておいて損はありません。

行政書士登録から開業までの流れを調べる

行政書士は試験に合格しただけだと、行政書士を名乗ることはできません。

なり

行政書士試験の合格者です、としか言えません。

行政書士試験合格後、すぐに開業を目指すなら、行政書士の登録方法や開業までの流れは、合格発表までにやっておきたいマストな部分ですよね。

  • 行政書士会への登録方法
  • 必要な書類や費用
  • 開業後の実務研修など、サポート体制

特に問題になってくるのが、

  • 登録料や年会費、事務所費などのお金の問題
  • 事務所を構える場所

この準備を早めに進め、問題をクリアにしておくことで、合格後のスムーズな開業が可能となるのは、いうまでもありません。

行政書士試験合格を想定した業務のシミュレーション

実際に行政書士試験に合格し、その後の業務を想定し、シミュレーションを行うのもおすすめです。

  • 依頼書や申請書の作成練習
  • クライアント対応のロールプレイ
  • 使用予定のソフトやツールの操作確認

業務シミュレーションは専門分野が決まっていないと、その分野は当然調べられませんが、よくある申請について調べておくのも勉強になります。

  • 書籍やSNSで情報収集
  • 予備校の開業、実務系講座の利用
  • 役所のWEBサイト

書籍やWEBサイトにも、たくさん情報があります。

書籍は何冊も購入すると、私は破産してしまうので、現在はAmazonのKindle Unlimitedを利用して、体験談や実務系の書籍を読み漁っています。

行政書士試験の勉強の本よりも、実際に読んでみたい本は多くあります。

また行政書士の実務や開業に関する、予備校の講座などもあります。

またよくある申請書の書式や書き方は、役所のWEBサイトに掲載されていたりするので、そちらを見るのも勉強になります。

これにより、実際の行政書士の業務での不安を、少しでも軽減していきたいところです。

行政書士開業後に使える、必要な資格やスキルを検討する

行政書士として活躍するには、追加のスキルや資格が役立つ場合があります。

でもこれは絶対に必要という分けではなく、自分が目指す分野や経営方針に沿っていれば、という一文が付きます。

特に計画性もなく、無理に他の資格を勉強するのであれば、すぐにでも開業をしたいなら、それにまつわる勉強をした方が有効です。

行政書士を開業して、必要であれば他の資格を勉強するのでも遅くないからです。

ですが、プランの1つとして、検討しておくことはその後の行政書士としての武器となり得る可能性はあります。

どんな勉強が考えられるか、挙げてみます。

  • ファイナンシャルプランナー(FP)
  • 簿記
  • 宅建
  • 司法書士
  • 中小企業診断士
  • 社会保険労務士
  • 税理士
  • パソコン操作
  • SNSやWEBサイトなど経営戦略の1つ

ちなみに私は、2021年の行政書士試験(不合格)が終わったその日から、合格発表待ちの時間を使ってFP3級の勉強をして合格しました。

FP3級であれば、フルタイムでガッツリ働いていても1か月程で合格できました。

私がFPを受けたのは、行政書士開業に必要だからということではなく、FPに関連する内容を知らないと、人生損をするかもしれない!という危機感から勉強しただけなのですが。

法を犯した場合、その法律を知らなくても罪になります。

逆に、補助金などもそうですが、そのような法律や制度を自分が知らなければ、その恩恵に預かることはありません(申請が必要なものなどの場合)。

なり

積極的に情報収集しないと、そういった情報って、知らないことがたくさんあったりしませんか?

そして大半の方はそういった法律や制度があることを、知らずに生活しています。

行政書士を開業したら、そういった点も少し発信し、身近な法律家としてお役にたてたらと考えています。

行政書士試験発表まではリフレッシュ!適度な休息で次に備える

行政書士試験が終わってから、合格発表までの間、何も勉強を詰め込むだけが、時間の有効活用方法ではありません。

試験勉強で疲れている心身をリフレッシュすることも重要です。

ここで気持ちを切り替えてから、新たに一歩を踏み出すのも、逆に効率がいい場合だってあります。

  • 旅行や趣味に没頭する
  • 家族や友人とリラックスした時間を過ごす
  • 健康管理に力を入れる

行政書士試験に合格後、すぐに開業をするのであれば、ご依頼者様(お客様)が来なくても、開業準備や実務の勉強、経営など、慣れないことで緊張の連続になるでしょう。

合格発表までの間に、リフレッシュして英気を養うことで、合格発表後にエネルギーを持って行動できます。

行政書士開業を目指すなら必須!マーケティング戦略、顧客獲得の準備

行政書士開業後は、安定した顧客を獲得するためには、しっかりとしたマーケティング戦略が必要です。

  • ターゲットとなる顧客層の設定
  • 効果的な広告手段の選定(オンライン広告、チラシ配布など)
  • ブランディングの方法(ロゴ作成、ウェブサイトのデザインなど)

この行政書士試験の合格発表までの期間を利用して、自分の強みを活かしたマーケティングプランを練りましょう。

いくら実務の勉強をしていても、ご依頼者様(お客様)がいなければ、宝の持ち腐れです。

そして、行政書士の資格を取得して開業しても、口をあいているだけではご依頼者様(お客様)は獲得できません。

行政書士を開業したら、法律家ではありますが、個人事業主、経営者です。

なり

私個人の考えとしては、まずはこの経営戦略が最も重要と位置づけています。
集客できなければ、仕事が無いのですから……

行政書士が食えないと言われている理由の1つに、この経営戦略がうまくいかないために廃業してしまう、ということが挙げられます。

そのため経営戦略、マーケティングがより重要な位置を占めると強く考えます。

発表までの期間を使って、行政書士の同業者や関連業界とのつながりを作る

一口につながりと言っても、簡単なことではありません。

行政書士として成功するためには、同業者や関連業界とのネットワークが重要であると分かっても、これは勉強したからどうにかなるものではありません。

まして行政書士試験の合格発表待ちであれば、まだ行政書士ではないのですから。

もともと仕事関係の伝手や周りに士業(行政書士・司法書士・弁護士・税理士など)の知り合いがいれば、関係構築のきっかけとなり得ます。

ですがこのような関係をお持ちの方の方が、少ないのではないでしょうか。

また、どんな方々との繋がりがあると嬉しいかと考えると、

行政書士や関連士業の方などとの繋がり
  • 行政書士の同期
  • 行政書士の先輩
  • 他士業
  • 専門にしたい分野の関係者

自分の知らない世界の方と交流を持つと、それだけ視野が広がり、新しいビジネスチャンスが生まれるかもしれませんね。

ではどこで繋がりを求めるのか?

  • 行政書士会やセミナーへの参加
  • 他の専門家(司法書士、税理士など)との交流
  • オンラインコミュニティへの参加

上記のように簡単に記載しても、現状なかなか難しいですよね。

もし、予備校に通われていたりしたら、合格祝賀会などの場があるので、参加してきっかけ作りをするのもおすすめです。

またオンラインコミュニティへの参加は、一番敷居が低いかもしれません。

同じ悩みを抱えている方々と交流できる可能性を秘めています。

これらのネットワークは、情報交換や業務提携の機会を広げるだけでなく、信頼関係の構築にも繋がります。

具体的なビジネスプラン、行政書士開業計画を立てる

具体的なビジネスプランを作成することで、行政書士開業後の方向性が明確になります。

暁星書士開業計画PDCAの図
  • 初期投資の見積もり
  • 収支計画の策定
  • 目標設定と達成方法の具体化

中でもまず最初に考えるべきことは、資金と事務所です。

行政書士に登録するには、登録料や年会費がかかります。

また事業運営の資金も必要です。

そして行政書士に登録するには、事務所が必須です。

自宅でもOKですが、間取りなど制約があります。

申請する各行政書士会で確認しましょう。

ちなみに行政書士登録をする場所は、事務所所在地の行政書士会です。

そのため事務所を構える場所の選択も重要になります。

このように1つのコトを決めるにも、別の事項に関連するものもあるので、入念な事業計画が必要です。

登録の必要書類については、各行政書士会のWEBサイトに掲載されていますし、書き方も説明されていたりするので、安心です。

行政書士を開業するにあたって、融資をうけることも可能ですが、ここでも事業計画は必要になるので、この行政書士試験の合格発表までの時間を有意義に使って、計画を練ることがおすすめです。

どのような事業を展開するにも言えることですが、しっかりとしたビジネスプランは、行政書士開業後の運営を安定させる基盤となりますので、最も重要な点であると考えられます

今回のまとめ。行政書士開業を目指すなら、発表までの時間は貴重

行政書士試験後の合格発表までの時間は、ただ待つのではなく、合格後の準備や自分を見つめ直す貴重な機会です。

自己分析や基礎知識の深化、実務準備、マーケティング戦略の策定など、多岐にわたる活動を計画的に進めることで、行政書士試験の合格発表後に自信を持って開業への一歩を踏み出せるでしょう。

行政書士試験の合格発表後すぐに開業されている方もいますが、当然、この時間を有効に利用して、情報収集や勉強、交流など様々な準備を行っています。

行政書士試験日から行政書士試験の発表までは、約2か月ちょっとです。

また行政書士の合格証が届くのが、例年2月中旬頃です。

行政書士の登録には、この合格証が必要なので、行政書士試験日から数えると約3カ月程の時間があります。

即行政書士開業を目指す場合、この約3カ月で、事業計画まで完璧に整えるのは、至難の業です。

ですが、融資を受ける必要がなく資金に問題がなければ、3カ月あれば、行政書士登録に必要な準備は十分整います。

開業した後に徐々にレベルアップしていくことも可能です。

開業した後の生活を考える必要があるので、無理に開業すべきと言うことは決してできませんが、行政書士試験の合格を手にした後の、第1歩を、影ながら応援致します。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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