行政書士試験の記述式の勉強をしなくていいって本当?

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行政書士試験の記述式の勉強をしなくていいって本当なの?
なり

今回の記事はあくまで私個人の体験からくる見解です。
記述式対策をして試験に万全の体制で挑むことに越したことはありませんので、お気を付けください。

たまにWEBなどで、行政書士試験の記述式の勉強はしなくても大丈夫って、見たことはありませんか?

受験時代、私はそんなことないでしょうー、と思いつつ、ついその記事を読んだものです。

例えば、今まで法律の勉強をしていたり、行政書士試験の試験範囲の知識がバッチリの方には、記述式の勉強はしなくても大丈夫!という方もいるかもしれません。

ですが私のように法律の勉強をしたことが無い方や、行政書士試験に少しでも不安がある方には、記述式の勉強をした上で行政書士試験に挑むことをおすすめします。

とはいえ、私は仕事もしていて記述式の問題集をガッツリやる所まで、手がまわりませんでした。

なり

記述式がもっとできていれば!と何度思ったことか。

今回は私見ではありますが、行政書士試験の記述式の重要性、勉強した方がいい理由と、しない場合のリスクについて考えていきます。

目次

行政書士試験の合否判定基準を把握しておこう

なり

まずは行政書士試験の合否判定基準を、見てみます。

まずは行政書士試験の合否判定の点数を確認しておきます。

行政書士試験の合格基準点について

  • 行政書士の業務に関し必要な法令等科目の得点が、122点以上
  • 行政書士の業務に関し必要な基礎知識の得点が、24点以上
  • 試験全体の得点が、180点以上

記述式は法令科目の122点以上に含まれます。

そして基礎知識などの得点を加算して、全体の点数が180点以上で合格です。

行政書士試験の問題別の配点について

なり

まずは法令等の点数を確認。

択一式5肢択一式40問160点
多肢選択式3問24点
記述式3問60点
合計46問244点
行政書士試験法令等の問題別配点

法令等が満点で244点、足切りが122点なので、半分正解すれば法令等の科目は足切り突破になります。

足切りとは、定められた基準点以下の点数を取ってしまうと、例え基礎知識等が高得点でも、不合格になってしまいます。
法令等の科目も基礎知識等の科目も、それぞれ基準点を突破し、その合計点が180点以上ないと合格できません。

例え記述式が0点であっても、他の法令等の科目が満点ならば184点、基礎知識等が足切りを突破していれば合格点180点オーバーなので、合格です。

そうは言ってもそう簡単に法令などの科目で満点を取ることは難しいので、結果的に記述式の出来によって、行政書士試験の合否が左右されるという話もよく聞きます。

かくいう私も、記述式の点数によっては、2023年の行政書士試験も不合格になってしまう可能性が大いにありました。

記述式の点数割合は、3問60点ですが法令等の科目の約40%を占めています。

こう考えると記述式の点数割合は、決して低いものではないということを念頭に置いておいてください。

なり

ちなみに、基礎知識等の点数はこんな感じ。

択一式5肢択一式14問56点
行政書士試験基礎知識等の問題別配点

基礎知識などの点数って案外少ないんですよね。

2024年の行政書士試験から、基礎知識に変わるので、試験範囲にお気を付けください。

点数割合と点数の取り方の考え方

2024年行政書士試験から、一般知識等が基礎知識に変わり、点数が取りやすくなったとささやかれています。

ですが基礎知識等は満点でもたった56点しかありません。

でもさすがにこの満点の取得は難しいので、56点より獲得点数は少なく見積もることになります。

そうすると、法令等を頑張って得点しなくてはなりませんが、行政書士試験は割と意地悪な問題が出題されます。

試験では絶対に点数が取れるという確約はないので、5肢択一式・多肢選択式・記述式それぞれで満遍なく点数が取れていた方が、危機回避になり得ます。

そのためガッツリ勉強をしなくても、少しでも記述式を勉強をしておいた方が加点の可能性があり、合格へ近づきます。

多肢選択式は答えが書いてあるし、記述式では択一程難しい問題が出題されません。

そのため裏を返せば、点数が取りやすいともいえる試験形式ともいえるのではないでしょうか。

行政書士試験の記述式試験の勉強は本当にしなくていいのか

なり

私個人的の意見としては、記述式の勉強はしておいた方がいいです。

基礎知識等の点数を足切りギリギリの24点だったと仮定して、進めます。

総合の合格点が180点なので、法令等では単純に156点(180-24点)以上の獲得が必要になりますよね。

択一式5肢択一式40問160点
多肢選択式3問24点
記述式3問60点
合計46問244点
行政書士試験法令等の問題別配点

仮に156点必要だった場合、5肢択一式の全得点は160点です。

ほぼ5肢択一式で満点に近い点数が必要になります。

私のような法律の勉強が初めての方の場合、かなり厳しいのではないでしょうか?

自身がどの位5肢択一式で点数が取れるかに左右されますが、選択式と記述式で少しでも点数を取るように保険があるに越したことはありません。

なり

では今回のテーマ、記述式に関して勉強をしなくてもいいのかについてですが。

行政書士試験合格に少しでも近づくためには、記述式の勉強は少しでもしておいた方が安全です。

記述式の勉強をしなくてもいい、という理由としては、5肢択一の勉強で知識がついているはずなので、それを書けばOKだから、ということです。

ですが頭で分かっていても、実際に文章でポイントを絞って書き出すのは、慣れていないと案外難しいものです。

まして40字程度と字数制限のおまけつき。

文字数が多すぎても、少なすぎてもダメで、漢字を間違えてもダメです。

あまりに字が崩れていて読めなくて点数にならない、なんてこともあり得ます。

そのためガッツリ時間を取って勉強しないにしても、少しでも文章として書き出す、自分の思考を書き出す練習はしておいて損はありません。

行政書士試験での、部分点という救世主

なり

行政書士試験の配点の中身を少し見てみましょう。

  • 5肢択一式 1問につき4点
  • 多肢選択式 1問につき8点 空欄(ア~エ)一つにつき2点(3問出題)
  • 記述式 1問につき20点(3問出題)

ここでポイントになるのが、選択式と記述式の部分点です。

なり

分からなくてもあきらめないで!
部分点が救世主になることも!

選択式の場合は空欄1つ1つに点数が付きます。

選択式の問題では、1問分の空欄が全部正解でないと得点できないというわけではないので、答えを書かずに試験を終えるのはご法度です。

選択肢の中に必ず答えがあるので、選択式の問題は絶対に何らかしら書いておくべきです。

記述式に関しても、1問20点の配点ですが、実は部分点が加算されます。

その問題のキーワードが書けていれば、点数がもらえるのです。

そして問題文の中にヒントが隠れている場合があるので、答案を空欄で出すのではなく、分からなくても何か書いておいた方が、運よく?加点される場合があります。

この選択式と記述式で、各問題が満点でなくても、部分点をポツポツ稼げるだけで、大助かりです。

記述式に全然自信がなくても、落ち着いて問題文をよく読み、2点でももぎ取る気持ちで書いてみてください。

記述式試験と択一式の違い:攻略に必要なスキルとは?

なり

使う頭が違う!と感じる程、記述式と択一式試験の試験形態が違う。

記述式と択一式では、出題形式が全く異なります。

5肢択一式では、書いてある文章を読んで答えを選ぶ形式です。

要は問題に答えが既にかいてあるんですよね。

それを選ぶだけ。

ですが紛らわしい問題がなどが出題されていて、間違えてしまうんですけど。

5肢択一式では、選択肢の内容を正誤判断する問題なので、万一正確に覚えていなくても、消去法で解答できてしまうケースもあるわけです。

最悪、えんぴつを転がして出た数字の答えを書く天任せだって、出来ちゃう試験形式です。

対して記述式は、自分で答えを40字程度の文章にまとめて書かなくてはなりません。

部分点がもらえるにしても、問題に対するキーワードが頭に浮かばなければ何も書けません。

なり

頭でわかっていても、書けない、これが記述式の恐い所です。

頭でまとめて文章にできない、ということは、実は理解不足ともいえるのでしょうが、そうはいってもなかなか難しいです。

ですが行政書士試験の記述式では、すごく突飛な論点が出題されるわけではありません。

行政書士試験で出題されると思われる、重要論点をしっかり理解し、解答用紙に自分の思考を吐き出せるように、練習していくことがおすすめです。

行政書士試験で記述式の勉強をしなくていい理由とそのリスク

なり

結局、行政書士試験の記述式は勉強した方がいいの?

やはり行政書士試験に万全を期すためには、記述式の勉強をしておくことをおすすめします。

ですがあえて記述式の勉強をしなくていい理由としてあげるならば、

  • 択一の勉強をこれでもか、という程している
  • 知識において不足なし
  • アウトプットをするのが得意

このようなところではないでしょうか。

択一の勉強で十分に知識を固めているため、知識があるんだから、あえて40字程度の記述式の勉強をする必要性が乏しいという理由からだと思われます。

行政書士試験の記述式の問題では、そんなに難しい論点が出題されることが、あまりありません。

択一の勉強で重要論点や頻出論点、条文を押さえていれば解答できる問題が多いのです。

これらのことから、行政書士試験の記述式の勉強はあえてしなくても良い、という風に言われいることもあるのでしょう。

なり

でも本当に記述式の勉強をしておかなくても大丈夫なの?

択一の勉強をしっかりしていれば、記述式に特化した知識の習得をすることは特にないと考えます。

なり

じゃあ、記述式の勉強はいらないじゃん。

あくまでもそれは知識の習得に関しては、です。

記述式で必要になってくるのは、40字程度でまとめて文章を書くという手法です。

  • 40時程度でまとめる
  • 文章に書き出す
  • 漢字を間違わない
  • 必要なキーワードを含める
  • 綺麗な読める字で書く

記述式の試験では知識の他に、このような技法が必要になってきます。

行政書士試験では40字程度でまとめる記述式ですが、例えば同じ法律系資格だと司法試験や予備試験だと論文式試験、司法書士試験では記述式という申請書を書く試験が行われます。

どの試験も基本となる知識の部分は択一式の試験内容と共通しています。

他の法律系試験では、それでも自分の思考を文字として書き出すという部分で、大部分の受験生が記述式に重点を置いて勉強をしているほどです。

これらの試験よりも、確かに行政書士試験の方が40字程度でまとめるだけなので、難易度としては比べ物になりませんか、このアウトプットをするということは、思った以上に書けなかったりします。

行政書士試験の記述式の勉強としては、主にこのアウトプットの手法を訓練しておくということになります。

この訓練を少しでもしておくのと、しておかないのとでは、特に私のように法律の勉強をしたことのない者にとっては、せっかく知識があっても得点を逃してしまうことになりかねません。

記述式試験では部分点がもらえるので、最後の1点で、悔し涙を飲まないためにも少しでも記述式の練習をしておくことをおすすめします。

私自身も受験勉強期間中に、時間がなくほとんど記述式の練習をすることができませんでした。

行政書士試験に合格した今だからこそ振り返ってみると、記述式の練習をもっとしておけばよかったと、後悔しています。

アウトプットがスムーズにできるようになっていれば、もう少し点数が稼げていたと思います。

今回のまとめ。公開しない行政書士試験を迎えるために。

なり

時間が許すのであれば、行政書士試験の記述式の勉強をしておいた方が、合格が見えてきやすくなります。

こんな偉そうなことを言ってはいますが、私自身ガッツリ記述式の勉強をするほど時間の余裕はありませんでした。

記述式の問題集を購入しましたが、半分も問題を解かず受験期間が終了しています。

私が行政書士試験に合格する年の前2年で感じたことは、記述式が苦手で難しいということです。

答えがわかってしまえば、5肢択一の問題よりもずっと簡単な内容を問われているのに、全然書ける気がしませんでした。

そのため記述式の勉強だけは、書き方のコツを掴むべく、予備校を利用したいと切に思っていました。

私は記述式の勉強をほとんどしていないので、行政書士試験で獲得した点数は、3年間のうち最高で28点です。

こんな低い点数でも、行政書士試験に合格する点数の底上げに、一役買っています。

なり

私が行政書士試験に合格した時は、記述式の得点によっては不合格が目の前をチラついていました。

なり

結果として合格できたのですが、少ないながらも記述式の得点で救われた形になりました。

毎年よく聞くことですが、180点の合格ラインに届くか届かないかぐらいの成績の場合、その年の記述式の採点具合によって、行政書士試験の合否に大きく関わっています。

行政書士試験の合格の点数は180点です。

179点で涙を飲む受験生もいらっしゃいます。

その1点で泣かないためにも、少しでも点数の底上げができるよう、記述式試験の勉強を少しでもやっておいた方がよいでしょう。

後悔のない試験を迎えることができるように、少しでも万全の体制に近づけるよう対策をしていきましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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