※筆者は2023年行政書士試験に合格。
現在は2025年5月から司法書士試験の勉強を始め、2027年の初受験を目標にしています。
行政書士試験に合格すると、「次は司法書士も目指せるのでは?」とダブルライセンスを考える人は少なくありません。
私自身、2023年に行政書士試験に合格し、現在は司法書士試験の勉強を始めています。
しかし実際に学習を始めてみると、試験範囲の広さと内容の深さに、「これは行政書士試験の延長ではない」と強く感じるようになりました。
この記事では、行政書士試験合格者の立場から、司法書士試験の難易度や両試験の違い、ダブルライセンスを目指す際に注意すべきポイントを整理していきます。
なり行政書士に受かったなら、司法書士も目指せるのでは?
——そう考えたことがある方に向けた、現実的なお話です。




行政書士試験と比べて司法書士試験の合格が難しい理由
私自身、行政書士試験に完全独学で合格し、法律試験の勉強にはある程度慣れているつもりでした。
しかし司法書士試験の学習を始めてみると、求められる理解の深さや学習量は、行政書士試験とは別次元だと実感しています。
ここでは、行政書士試験と比較しながら、司法書士試験がなぜ難関とされるのかを整理していきます。



行政書士試験の延長だと思っていると、ここで心が折れやすい。
試験範囲が広く、問われる内容が圧倒的に奥深い
行政書士試験でも「範囲が広い」と言われますが、司法書士試験は広さと深さのレベルが違います。
特に民法は顕著です。
行政書士試験では
- 条文の趣旨
- 基本的な判例理解
が中心でした。
一方、司法書士試験では
- なぜそうなるのか
- 登記実務ではどう処理されるのか
まで理解している前提で出題されます。
同じ民法でも、「知っている」→「説明できる」→「他制度と結びつけて使える」という段階の差が非常に大きいと感じています。
記述式問題のハードルが高く、初心者にはとっつきにくい
司法書士試験最大の特徴が、午後に出題される不動産登記法・商業登記法の記述式問題です。
行政書士試験にも記述式はありますが、性質は全く別物です。
司法書士試験では、
- 制限時間内に
- 正確な登記申請書を
- ミスなく完成させる
という、実務処理能力そのものが問われます。
行政書士試験では40字程度の文章を書く試験でしたが、司法書士試験では実務に直結した申請書という形で出題されます。
そもそもその申請書自体、私もそうですが、見たことがない人が大半なのではないでしょうか。
ですから学習初期では「何を書けば正解なのか分からない」「問題文の読み方すら分からない」と感じるのも自然のことです。
私は司法書士試験の記述式関係のテキストや問題を見たときに、やれるのコレ?と、随分考えました。
記述式の勉強を継続できそうかどうか、これが司法書士試験に挑戦するかしないかのポイントとなりました。
2024年以降、記述式の配点は
**70点 → 140点(全体の40%)**に増加しています。
記述の重要性は、今後さらに高まっています。
足切り制度があり、合格ラインも非常にシビア
司法書士試験には、行政書士試験と同様に足切り(合格基準点)が設けられています。
司法書士試験では
- 午前の部の択一式
- 午後の部の択一式
- 記述式(午後に実施)
それぞれに足切りがあり、つまり、
- 総合点が高くても
- どこかの科目で基準点に届かなければ
その時点で不合格です。
行政書士試験では、多少の苦手科目があっても全体得点でカバーできる余地がありますが、司法書士試験では満遍なく高レベルが前提です。
さらに行政書士試験(絶対評価試験)とは違い、司法書士試験は相対評価試験です。
最終合格者は上位3〜5%程度と超難関。
この数字が示す通り、少しのミスが致命傷になるという過酷な試験です。
司法書士試験には筆記試験合格後、口述試験があります(口述試験はほぼ受かる試験と言われています)。
- 絶対評価試験…基準点に達していれば、皆合格!
- 相対評価試験…基準点に達し、尚且つ上位数パーセントを合格とする試験
※成績上位の得点を取らないと合格できないということです。
受験生(ライバル)のレベルが非常に高い
司法書士試験の受験生層は、行政書士試験とは一般的に明らかに異なります。
- 行政書士・宅建士など既に資格を持つ人
- 法学部・法科大学院出身者
- 数年単位で挑戦している専業受験生
- 予備試験や司法試験経験者
こうした人たちが多数を占めており、初学者同士の勝負ではありません。
行政書士試験で感じた「まだ何も分からない人も多い試験」という雰囲気はほぼなく、最初から完成度の高い受験生が多い世界です。
もちろん試しに受験してみようという人や、法律初心者勢も含まれています。
ですが成績上位順に合格が決まる司法書士試験では、受験者層の違い、この環境そのものが合格難易度をさらに押し上げています。
合格に必要な勉強時間が桁違いに多い
司法書士試験の合格に必要な学習時間は、一般的に3000〜5000時間と言われています。
行政書士試験が1000〜1500時間程度とされることを考えると、単純に2〜3倍では済まないボリュームです。
特に、
- 登記法の理解と暗記
- 記述式の演習と復習
- 択一の精度を落とさないための反復学習
これらを並行して行う必要があり、特に働きながら挑戦する場合は数年単位の長期戦を覚悟する必要があります。
私もフルタイムで働きながらの挑戦なので、試験範囲の広さと内容の深さや分量などから、初受験目標を2年後に設定しました。
勉強を始めた今ではそれでも時間が全く足りないと感じています。
「気合で何とかなる試験」ではなく、生活設計そのものを組み込んだ試験だと感じています。
合格者の体験記やYouTubeなど拝見したところ、受験状況を見ると、仕事を辞め専業受験生になる、家族の完全協力など、ガチガチの受験環境が目につきます。
もちろん仕事をしながら合格されている方もいますが、受験背景は人それぞれなので、自分のスタイルをいち早く見極めることが重要ですね。
行政書士試験と司法書士試験の違いを比較してみる


― 勉強してみて初めて分かった感触の違い ―
行政書士試験と司法書士試験は、同じ法律系資格として並べて語られることが多い試験です。
しかし、実際に行政書士試験に合格したあと司法書士試験の勉強を始めてみると、求められている頭の使い方がまったく違い、両者の差は「難易度」以上に大きいと感じました。
制度や合格率の話は他のサイトでも紹介記事が多いので、ここでは、実際に勉強して感じた体感的な違いに焦点を当てて比較してみます。
行政書士試験は「理解して選ぶ試験」
行政書士試験の勉強をしていたときは、条文や判例を理解したうえで、「正しい選択肢を選ぶ」ことで解答することができたと感じています。
多少詳細があやふやでも、
- 消去法が使える
- 他の肢との比較で判断できる
といった形で、理解の幅でカバーできる場面が多かったように思います。
勉強の感覚としては、「法律の地図を頭の中に作っていく」そんなイメージでした。
司法書士試験は「処理できるかどうかの試験」
一方、司法書士試験の勉強を始めて感じたのは、ただ理解しているだけでは、まったく足りないということです。
特に登記法では、
- この事実関係なら
- どの登記を
- どういう順番で
- どんな内容で申請するのか
- 申請情報や添付情報は何が必要か
を、自分で判断して処理する力が求められます。
分かっているつもりや、こんな感じだったかも、では通用せず、手が止まる=理解が足りていないという世界です。
勉強中に感じるしんどさの種類が違う
行政書士試験の勉強がしんどかった理由は、
- 覚える量が多い
- 科目数が多い
といった、量的なしんどさでした。
一方、司法書士試験は、先のような量的なしんどさの他にも
- 1つの論点を深く考え続ける
- 「なぜ?」を突き詰められる
という、思考的なしんどさを強く感じます。
長時間机に向かっているのに、勉強が全然進んだ気がしないと感じる日があるのも、司法書士試験ではなおさら強く感じています。
「できるようになった実感」が得にくい
行政書士試験では、
- 模試の点数が上がる
- 問題が解けるようになる
といった形で、成長を実感しやすい構造でした。
(私は行政書士試験では模試も受けていませんが、試験結果で感じていました。)
一方、司法書士試験は、
- 分かったと思った論点が翌日崩れる
- 記述を書いても本当に正解か分からない
など、手応えを感じにくい期間が長いと感じています。
私自身、特に商業登記法では、やったばかりの勉強もすぐにわからなくなってしまう(過去問で間違える)など、暗記と理解がなかなか追いつかず、落ち込むこともあります。
この報われなさは精神的なハードルとしてかなり大きく、モチベーションの維持を左右してしまっています。
行政書士合格者ほど感じやすいギャップ
行政書士試験から司法書士試験を目指す人ほど、思っていた試験と違うと感じやすいのは、この試験の性質の違いを体感するからだと思います。
行政書士試験に合格していると、法律の勉強は一通り経験しているという自負があるのではないでしょうか。
その状態で司法書士試験に触れると、自分のできなさ加減が一層際立って感じられ、想像以上に心が折れやすいと感じます。
これは自身の能力の問題というより、試験の性質の違いによるギャップだと考えられます。
比較して分かった両試験の違い



行政書士は「理解できれば前に進める試験」
司法書士は「処理できなければ合格できない試験」
—— この違いを知らずに挑戦すると、かなり苦しくなります。
両試験を比較して、一番大きな違いは、
- 行政書士試験:理解できていれば前に進める
- 司法書士試験:処理できなければ先に進めない
という点です。
司法書士試験は、知識量も大切ですが、より正確に処理する力が積み上がっているかが問われる試験だと感じています。
この私が感じる処理能力に関しては、記述式では申請書を作成するという点で、イメージしやすいかもしれません。
択一式に関しても、処理能力の必要性を上げることができます。
出題の難易度も高く限られた時間で解答しなくてはならない。
持っている知識から素早く判断し解答する、この処理能力が大きくものを言うと感じています。
この両試験の違いを知ったうえで挑戦するのか
行政書士試験と司法書士試験は、難易度以上に質が違う試験です。
この違いを理解したうえで司法書士というより難関試験に挑戦するのか、それとも行政書士として専門性を深めるのか。
どちらが正解という話ではありませんが、少なくとも同じ延長線上にある試験ではないという点だけは、強く伝えたいと思います。
行政書士合格後に司法書士を目指すかどうかは、司法書士試験の難易度や勉強のきつさを理解したうえで判断することが何より重要です。
行政書士から司法書士を目指す人がハマりやすい5つの落とし穴


行政書士試験に合格すると、「次は司法書士もいけるのでは?」と考えがちです。
しかし実際に勉強を始めてみると、その考えが危ういと感じる場面が少なくありません。
ここでは、行政書士試験合格者だからこそ陥りやすい5つの落とし穴を整理していきます。
民法のレベル差を甘く見てしまう
行政書士試験の民法は、法律の勉強が始めてでも理解できるよう基礎的な知識確認が中心でした。
一方、司法書士試験の民法は、登記実務と直結した応用レベルまで求められます。
条文を知っているだけでは全く足りず、深い理解までもが必須です。
- なぜその結論になるのか
- 登記手続ではどう処理されるのか
- 他の制度とどう関係するのか
といった使える民法が大前提で、ある意味不動産登記法・商業登記法の基礎知識と感じることが多々あります。
行政書士合格者ほど「民法はもう一度軽く復習すれば大丈夫だろう」と考えがちですが、ここで認識を誤ると、その後の勉強で一気に苦しくなるので要注意です。
登記法という“完全新分野”の壁
司法書士試験の中心科目である不動産登記法・商業登記法は、行政書士試験では一切出題されません。
つまり、行政書士合格者であっても、司法書士試験の最重要科目をゼロから学ぶことになります。
しかも登記法は、
- 条文・通達・先例が多い
- 暗記量が膨大
- 理解しないと記述が書けない
という、初学者殺しの要素が詰まった科目です。
そもそも司法書士の仕事自体が、コンサルタント業務もありますが、登記申請書を作成して提出することがメイン業務です。
そのため不動産登記法・商業登記法は、ある意味民法よりボリュームのある科目なのです。
そして記述式に直に関わる科目なので、最重要科目ということができます。
「法律試験には慣れているはずなのに、全然わからない」と感じる人が多いのも当然で、この登記法と記述式のハードルが高く、ドロップアウトしてしまうという難しさを抱えている科目です。



登記法は“初学者前提”で考えないと危険!
記述式の重さを軽く考えてしまう
行政書士試験にも記述式はありますが、配点は全体の一部であり、択一でカバーできる余地があります。
しかし司法書士試験では、記述で落ちる人が多いというのも一理あります。
知識があっても、
- 書き方を知らない
- 時間内に処理できない
- 些細なミスを重ねる
と、それだけで不合格になります。
特に司法書士試験の午後の部(午後に行う試験)では、択一式と記述式両方を解答しなくてはなりません。
そのため午後の試験時間が圧倒的に足りない、というのはよく聞く話です。
裏を返せば、もう少し時間があれば合格できたという人も少なからずいるくらいです。
行政書士試験の合格者ほど「記述は後回しでいい」「択一を固めてから」と考えがちですが、これが典型的な最大の落とし穴です。
確かに不動産登記法・商業登記法の択一の知識がなければ、記述式は解答できません。
ですが、記述式には申請書の型があるので、それを覚え理解していないと知識があっても解くことができないのです。
記述式の配点割合も多くなったこともあり、より択一式と記述式、必要知識と申請書の書き方という技術的な面の両面をバランスよく勉強することが重要だと実感しています。



記述式の申請書の型の量も多くて覚えるのが時間かかりそう。
それを使えるレベルまで落とし込むには、どれだけ時間がかかるんだ……
学習時間の現実を直視できていない
行政書士試験の学習時間が1000〜1500時間と言われるのに対し、司法書士試験は最低でも3000時間や5000時間以上が目安です。
しかも、
- 登記法は積み上げ型
- 記述対策は長期戦
- 択一の精度維持も必要
と、途中で手を抜くと一気に崩れます。
フルタイムで仕事をしていたら、1日の勉強時間を4時間以上確保するのは難しいでしょう。
司法書士試験の専業受験生の中には、1日6~8時間以上勉強している人はざらにいます。
仕事をしていれば2時間勉強できれば、いい方に入るのではないでしょうか?
中には短時間で合格する人もいます。
逆に年数を重ねて挑戦する人もいます。
無理して勉強して体を壊しても本末転倒、そして年数を重ねるメンタルが続くかも不安です。
行政書士試験でもそうですが、ダラダラ時間だけ掛けても合格しません。
いかに効率よく理解する勉強ができるかがカギとなると、行政書士試験より強く実感しています。
「行政書士に受かった勢いでいけるのでは?」と考えてしまうと、まず時間の壁に必ずぶつかります。
受験生層の違いを想定していない
行政書士試験は、法律初学者も多く受験する試験です。
これは受験生の多さから考えられることですね。
一方、司法書士試験は
- 既に資格を持つ人
- 法学部・ロースクール出身者
- 数年単位で挑戦している再受験者
- 予備試験・司法試験経験者
が当たり前の世界です。
つまり、自分より法律に詳しい人が大勢いる前提で戦う試験となります。
このスタートラインが違うというのも大きなハードルですが、それよりも大きな山は他にあります。
それは司法書士試験は相対評価試験であるということです。
行政書士試験は絶対評価試験でした。
合格の基準点に達すれば、皆合格する試験です。
つまり自分が頑張れば合格できる試験とも言え、ライバルは自分自身です。
しかし司法書士試験では自分が頑張るのは最低ライン、合格できるのは上位3~5%ということですから、足切り突破以外にもライバルに勝ち抜く必要があります。
足切り突破しただけでは合格できません。
プラスα上位の成績を取るための、上乗せ点が絶対に必要なのです。
行政書士試験よりも受験ガチ勢が多い、尚且つ法律をしっかり勉強した土台のあるライバルが多い。
この競争環境を理解せずに挑戦すると、メンタル面でも想像以上に消耗します。
行政書士の知識は司法書士にどこまで通用する?
行政書士試験に合格した人であれば、「これまで勉強してきた知識は、司法書士試験でもどれくらい通用するのか」
が気になるところだと思います。
結論から言うと、実際に司法書士試験の勉強をしてみて、行政書士の知識は確実に役立つ部分と、ほとんど通用しない部分がはっきり分かれると感じました。
つまり、行政書士試験の勉強は決して無駄ではありませんが、そのまま延長すれば合格できるほど甘くもない、というのが正直な感想です。
ここでは、行政書士合格者の視点から、司法書士試験で「活かせる知識」と「割り切るべき知識」を整理していきます。
行政書士試験の知識が活かせる部分
行政書士試験の知識が活かせると言っても、勉強しなくていいというわけではありません。
今ある知識をベースにして肉付けしていくことが必要と感じています。
憲法:人権・統治の基礎知識はそのまま活用できる
司法書士試験でも憲法は出題されるため、行政書士試験で学んだ人権の考え方や統治機構の全体像は、そのまま活かせそうです。
もちろん、司法書士では判例理解の精度がより求められますが、ゼロから学ぶ人に比べれば、スタート地点が一段上なのは間違いありません。
そのため理解と完成度は法律の勉強が初めての人よりは、早く仕上げることができそうです。
民法:基本的理解が司法書士学習の土台になる
行政書士試験で培った民法の基礎理解は、司法書士学習において大きなアドバンテージになります。
- 権利関係の考え方
- 条文構造への慣れ
- 判例の読み方
これらは、司法書士試験でも必須です。
ただし、司法書士では「知っている民法」ではなく「使える民法」が求められるため、あくまで土台として活きるという位置づけになります。
それでも分厚い民法のテキストを慌てることがなく読み進めることができました。
テキストを読んでいると、知ってる!と思う部分が多々あったので、モチベーション維持には最高でした!
商法・会社法の基礎:理解スピードが明らかに違う
司法書士試験では、商業登記法・会社法が重要科目です。
行政書士試験で、
- 株式会社の機関設計
- 役員の選任・解任
- 定款の基本構造
などを一度学んでいると、登記法と結びつけた理解が非常にスムーズになります。
膨大な商法・会社法の分野では、法律の勉強が初めての人と比べると「言葉の意味が分からない」という段階を飛ばせるのは大きな強みです。
行政書士試験のレベルと分量は圧倒的に違うため、このアドバンテージは小さいながらも大きな武器の1つと言えます。
私は行政書士試験の受験時代、この分野はあまり力を入れずほとんど勉強していなかったのですが、肢別過去問を回した程度でも、微々たる知識が大きな手助けとなっています。
行政書士の知識が活かせない(割り切るべき)部分
行政法:行政書士試験では中心科目だが、司法書士試験ではほぼ不要
行政書士試験のメイン科目である行政法は、司法書士試験ではほとんど(ほぼ)出題されません。
時間をかけて身につけた知識ではありますが、試験対策としては思い切って割り切る必要があります。
「もったいない」と感じやすい部分ですが、ここで未練を残すと、学習時間の配分を誤りやすくなります。
そもそも試験科目に入っていないので、即、割り切りで!
一般知識分野:司法書士試験では完全に不要
行政書士試験特有の一般知識分野(文章理解・情報通信・政治経済など)は、司法書士試験では一切出題されません。
この分野については、司法書士試験においては完全にリセットと考えて問題ありません。
登記法:最大の壁で、完全なゼロスタート
司法書士試験最大の特徴であり、最大の難関が不動産登記法・商業登記法です。
割り切るとは違いますが、行政書士試験では登記法に触れる機会がないため、行政書士合格者であっても、完全な初学者として学ぶ必要があります。
しかも登記法は、
- 暗記量が多い
- 条文・先例が複雑
- 記述式と直結している
という、司法書士試験の本丸とも言える科目。
ここをどう攻略するかが、合否を分ける最大のポイントになります。
私は登記法科目は割り切って、腰を据えてじっくりしっかり勉強するぞと意気込んでいる所存です……
行政書士の知識は「入口」、合格の本丸は別にある
行政書士試験で培った知識は、司法書士学習のスタートダッシュには確実に役立ちます。
しかし、司法書士試験の合格に直結するのは、登記法と記述式を中心とした、まったく別次元の力です。
行政書士の延長線で考えるのではなく、活かせる部分は活かし、切る部分は切る、この割り切りができるかどうかが、司法書士挑戦の成否を分けると感じています。
当たり前のようですが、私自身、行政書士試験に合格したし~という気持ちは捨て、初心に戻って司法書士試験の勉強に勤しんでいます。



行政書士の知識は“近道”にはなるけど、“ショートカット”ではない!
それでも行政書士試験合格者が司法書士を目指すメリット
ここまで、司法書士試験の厳しさや、行政書士合格者がハマりやすい落とし穴について触れてきました。
正直に言えば、決して簡単な挑戦ではありません。
時間も労力も費やし、ある意味疲弊すること覚悟でいることは否めません。
それでも、行政書士試験に合格した経験には、司法書士試験に挑戦するうえで確かな強みがあります。
法律学習に慣れているため、初期段階でリードできる
行政書士試験を通じて、
- 条文を読む習慣
- 法律用語への抵抗感
- 判例ベースで考える思考
がすでに身についています。
司法書士学習を始めた際、「そもそも法律が何なのか分からない」という段階を飛ばせるのは、大きなアドバンテージです。
特に学習初期では、理解スピードの差としてはっきり現れます。
民法・憲法の基礎があるため、学習効率が高い
司法書士試験でも重要な民法・憲法について、すでに基礎理解がある状態からスタートできるのは大きな強みです。
もちろん、司法書士レベルへの深掘りは必要ですが、「完全初学者が1から積み上げる時間」を省略できる分、法律の勉強が初めての人より効率的に学習を進められます。
この差は、長期戦になるほど効いてきます。
そして私自身、これ知ってる!という知識の出会い?がモチベーションの維持にも役立っています。
行政書士試験に合格した成功体験が大きな精神的支えになる
司法書士試験は、学習期間が長く、途中で不安や迷いが生じやすい試験です。
そんな中で、
- 計画を立て
- 継続して勉強し
- 合格を勝ち取った経験
という成功体験をすでに持っていることは、何よりの強みです。
「やり切れば結果が出る」という実体験は、簡単には揺らぎません。
行政書士試験と司法書士試験は全くの別物として、挑戦していますが、勉強に対する姿勢に関しては経験がものをいうと思っています。
もちろん勉強方法などは司法書士試験用にカスタマイズする必要はあります。
ですが右も左もわからないよりは、十分に力になるのではないでしょうか。
行政書士試験の基礎力は、正しく使えば武器になる
行政書士試験で培った基礎力は、使い方を間違えなければ、司法書士挑戦の強力な土台になります。
ただし重要なのは、「行政書士の延長だから楽になる」と考えないこと。
勉強する科目が違うし、難易度も段違いだからです。
現実を理解したうえで、活かせる部分は最大限活かし、新たに積み上げるべき部分に覚悟を持つ。
この姿勢があれば、行政書士合格者が司法書士を目指すことは、決して無謀ではありません。
ただし、明確な目標や計画、これらはより重要であるということができます。



現実を知った上で目指すなら、それは無謀ではない
実際に挑戦した人の体験談
実際に司法書士試験を体験、合格された人の声はとても貴重です。
全く同じ生活背景の人を探すのは難しいかもしれませんが、生活サイクルや勉強方法など、自分に取り入れられるアイデアがあるはずです。
体験談を見てモチベーションアップに繋げる、また、過酷な試験だから自分には向かないかもしれない、など様々な感想があることでしょう。
司法書士試験の勉強を始める前の情報収集の一環として、参考にされるとよいのではないでしょうか。
以下各WEBサイトへリンクさせていただきました。
【行政書士合格から司法書士へ】Wライセンス 合格者の声
伊藤塾 司法書士試験科様 noteより
半年間かけて各科目を集中的にじっくり学習
アガルート様 合格体験記より
フルタイムで働きながら効率的に学習を進め2年で合格!
アガルート様 合格体験記より
まとめ|行政書士から司法書士は「延長」ではなく「別試験」


司法書士試験は、行政書士試験とは難易度・試験構造・必要な覚悟がまったく異なる試験です。
行政書士から司法書士への挑戦は、決して楽な道ではありません。
しかし、現実を理解したうえで覚悟を持って進むなら、「無謀」ではなく「戦略的な挑戦」になります。
この記事が、次の一歩を考えるための判断材料になれば幸いです。
そのことも踏まえて行政書士試験に合格したあと、「次に何を目指すべきか」で悩んでいる方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
行政書士はやめとけって言われる20の理由。それでもあなたは受験しますか?
行政書士にダブルライセンスは必要なのか?メリットデメリットから考える
行政書士のダブルライセンスとして相性の良い資格と業務の方向性
最後までお読みいただき、ありがとうございました。








