行政書士試験に合格した瞬間は、本当に嬉しいものです。
長い勉強期間を乗り越え、やっとスタートラインに立てた、そう感じた方も多いのではないでしょうか。
ただ、その高揚感が少し落ち着いた頃、ふと現実的な疑問が頭をよぎります。
- 行政書士の実務って、どうやって勉強すればいいんだろう
- 行政書士の実務講座って、本当に必要なの?
- 実務講座を取らないと仕事ができないって聞くけど本当?
- 高いお金を払う価値はある?
- そもそも、今すぐ開業するかも決めていない…
私自身、行政書士試験に合格したあと、まさにこの状態でした。
行政書士の資格は取れた。
でも次に何をすればいいのか分からない。
お金もない。
正直、実務のイメージがほとんど湧かない。
さらに周囲を見渡すと、「実務講座」「実務講座」「実務講座」……。
まるで実務講座を取らないと行政書士として動けないかのような空気すら感じて、不安になりました。
この記事では、
- 行政書士試験合格後に、実務講座が「必要な人」「必須ではない人」
- 実務講座で学べること・学べないこと
- 後悔しないための、実務講座との向き合い方
を、合格者本人の視点で整理していきます。
※この記事は「全員が実務講座を受けるべき」という主張ではありません。あくまで「自分にとって必要かどうか」を判断する材料を提供することを目的としています。
行政書士試験に合格したら、多くの人がぶつかる壁
行政書士試験に合格すれば、「行政書士になる資格」は手に入ります。
実際に行政書士として仕事をするには、登録・開業をしなくてはなりません。
そうしないと行政書士試験合格者であり、行政書士と名乗ることすらできません。
行政書士試験に合格した後は、即登録・開業をする方もいますが、多くの方は今後の進路に不安や悩みを抱えているのではないでしょうか。
行政書士に登録・開業するにもお金がかかりますし、すぐに仕事が来るわけではないので、生活どうしよう、という悩みもあるでしょう。
それに加え一番大きなポイントはコレではないでしょうか。
あれ、実務ってほとんど分からない…?
これは、決してあなただけが抱く感覚ではありません。
思い返していただくと行政書士試験は、法律知識を問う試験でしたよね。
一方で、実際の実務で必要になるのは、
- 依頼者とのやり取り
- 業務の流れ(相談 → 受任 → 書類作成 → 申請 → 完了)
- 行政庁との対応
- 書類作成時の細かい注意点
といった、試験では触れない内容です。
そのため、
- このまま開業して大丈夫なのか
- 何から手を付ければいいのか
- ミスをしたらどうしよう
と不安になるのは、むしろ自然な反応だと思います。
行政書士会において、各種研修が用意されていますが、こちらは登録をした後の研修になります。
そのため私の様にお金の関係で行政書士に登録・開業に踏み切れない場合、実務の勉強の選択肢から外れます。
書籍や動画などでの自己学習も可能ですが、本当に合っているのか不安ですし、分からない部分もでてくるでしょう。
そこで行政書士に登録・開業をする前の時間をムダにしないためにも、始めの一歩として出てくる選択肢が、行政書士の実務講座なんです。
行政書士の「実務講座」とは何を学ぶものなのか
行政書士試験に合格したあと、多くの人が一度は目にするのが「実務講座」という言葉ではないでしょうか。
ネットやSNSを見ていると、「実務講座は必須」「取らないと仕事ができない」といった意見もあれば、「結局、現場で覚えるもの」「高いだけで意味がない」という声もあります。
(時には?ヒヨコ狩りと言われる、初心者に付け込んだ?講座と謳っているものもあるようなので、要注意です)
私自身どちらもその通りだと思っています。
行政書士で扱える業務の範囲は広いですから、最初にどんな仕事を受注するか正直分かりません。
その段階でゼロから仕事に手を付けるにしても、何からどうやればいいか分かりませんよね。
お客様がいるので、調べている時間が長ければ、信頼性に欠けますし何より相手に迷惑を掛けてしまいます。
行政書士と名乗るからには、お客様から見たら私たちはプロなのです。
行政書士になりたてホヤホヤのヒヨコです、は通用しません。
行政書士と名乗るからには、最低限の業務の知識は知っておく必要があると考えます。
そこで行政書士の登録・開業前でも手っ取り早く勉強できるのが実務講座なのですが、実際は何を勉強する講座なのでしょうか。
実際、私自身も合格直後は「実務講座って、結局なにを教えてくれるものなの?」「これを受ければ行政書士として仕事ができる状態になるの?」と、かなりモヤモヤしていました。
そこで行政書士の実務講座が何を学ぶ場なのかを一度フラットに整理してみましょう。
ここを正しく理解しておかないと、
- 期待しすぎてガッカリする
- 逆に必要なタイミングを逃す
といったズレが起きやすいからです。
まずは、「実務講座=万能な答え」でも「無意味なもの」でもない、そのちょうど真ん中の実態から見ていきましょう。
行政書士の試験勉強と実務の決定的な違い
まず押さえておきたいのは、行政書士試験の勉強と実務は、ほぼ別物という点です。
- 試験:条文・判例・知識の理解
- 実務:手続き・流れ・書類・現場対応
行政書士試験の試験内容と、実務目線を絡めて考えてみてください。
- どの書類から作るのか
- どこに提出するのか
- 何を確認し、何に注意するのか
こうした具体的な流れは、行政書士試験の勉強の中からは、全くわかりませんよね。
行政書士試験は実務に即した(直結した)試験内容ではないからです。
これから行政書士の実務を行おうとすると、このような点をゼロから勉強していくことになります。
行政書士の実務講座で学べる主な内容
一般的な行政書士の実務講座では、次のような内容を扱います。
- 実務全体の流れ(相談〜業務完了まで)
- 実際の申請書類の書き方
- よくあるミス・トラブル事例
- 開業後の業務イメージ
つまり、実務の全体像を疑似体験する場だと考えると分かりやすいです。
ただし、ここで重要なのは、
行政書士の実務講座を受けた=すぐ一人前になれる、実務ができる
というわけでは決してない、という点です。
各行政書士の実務講座を扱っている予備校では特徴があります。
大まかな全体像を掴むことがメインになっている予備校や、細かく各論を学べる予備校など様々です。
私の感覚だと行政書士試験の勉強をするための予備校選びよりも、さらに念入りに調べてから、実務講座を申し込んだ方がいいと感じています。
それこそこんなはずじゃ……になりかねません。
行政書士実務講座の活用は、あくまで不安を減らす、方向性を掴むのがメインである、と捉えるのが現実的です。
行政書士の実務講座が「必要な人」と「必須ではない人」

行政書士の実務講座について調べていると、どうしても「結局、受けたほうがいいの?」「受けなくても大丈夫なの?」という結論が気になってきます。
ですが、先に正直なことを言ってしまうと――行政書士の実務講座は、全員にとって必須ではありません。
一方で、こういう場合は受けておいたほうが、あとで楽になるだろうな、と思える人がいるのも事実です。
この違いを無視して、「合格したなら実務講座は必須」「実務講座なんて意味ない」と一括りにしてしまうと、判断を誤りやすくなります。
大切なのは、行政書士の実務講座が必要かどうかを、講座の良し悪しで決めることではなく、今の自分の状況で考えることです。
ここでは、行政書士試験に合格した人が置かれやすい状況をもとに、
- 実務講座を受けるメリットが大きい人
- 必ずしも今すぐ必要ではない人
を整理していきます。
行政書士の実務講座を、受ける・受けないの正解を決めるためではなく、後悔しない判断をするための整理として考えてみてください。
行政書士の実務講座が必要になりやすい人

次の項目を読んでいて、ちょっと心当たりがあるかも…ともし感じるものがあれば、実務講座は検討する価値がある選択肢になり得ます。
- 行政書士として独立・開業を考えているが、実務のイメージが全く湧いていない
→ 「合格した=仕事ができる、ではない現実」に戸惑っている状態 - これまで行政書士事務所で働いた経験がなく、実務に触れたことが一度もない
→ 書類作成・依頼者対応・行政庁とのやり取りが完全に未知数 - 「何から始めればいいか分からない」という理由で、合格後に時間だけが過ぎている
→ 不安が大きく、最初の一歩が踏み出せない - 失敗してから学ぶより、最初に地雷だけは避けておきたい
→ 時間・信用・精神的ダメージのロスをできるだけ減らしたい - 周囲に行政書士の知り合いがおらず、気軽に質問できる相手がいない
→ ひとりで抱え込むほど、不安が増幅しやすい環境
これらに当てはまる場合、行政書士の実務講座は知識を増やすためというよりも、不安を言語化し、整理するためのツールとして役立つことが多いです。
特に、「まだ開業すると決めきれていない」「自信がないから動けない」という段階の人ほど、実務講座が前に進むきっかけになるケースも少なくありません。
実務講座が必須ではない人

一方で、次のような環境や状況にある場合は、行政書士の実務講座を今すぐ受けなくても問題ないケースも多いです。
- 行政書士事務所での勤務が決まっている、または補助者として働く予定がある
→ 日々の業務そのものが、実務講座以上の学びになる可能性が高い - すでに実務を学べる先輩行政書士・知人が身近にいる
→ 分からないことをその都度聞ける環境があるなら、講座の必要性は下がる - 開業はまだ数年先で、今は情報収集フェーズにいる
→ 焦って知識を詰め込むより、タイミングを見極めた方が効率的 - まずは書籍・無料情報・実務ブログなどで自分なりに調べてみたい
→ 自走できるタイプの人は、実務講座なしでも十分進めることがある - 「不安だから受ける」ではなく、「目的が定まってから選びたい」
→ 目的が曖昧なまま受講すると、内容を活かしきれないリスクが高い
このような場合、実務講座は「必須」ではなく、必要になったタイミングで検討すれば十分な選択肢です。
むしろ、
- 周りが受けているから
- 合格者向けに案内されているから
- 受けないと不安だから
という理由だけで受講してしまうと、「結局ほとんど使わなかった」「まだ早かったかも…」と感じてしまうことも少なくありません。
行政書士試験に合格すると、行政書士に登録できる資格としては一生有効です。
今すぐどうこうするよりも、流されず納得した形での選択をすることが、一番重要なのではないでしょうか。
⇒ 行政書士に登録・開業しないとどうなる?メリット・デメリットを考察
大事なのは「受けるかどうか」より「今の自分に合っているか」
行政書士の実務講座は、
- 受けたら正解(行政書士の仕事ができるようになる)
- 受けなかったら失敗(行政書士の仕事ができない)
というものでは決してありません。
行政書士の実務の学び方には、様々な方法があるからです。
もちろんいきなり実務の世界に飛び込んで、学ぶことも多いにアリです(それこそ努力と根性が必要ですが……)。
- 先輩に教えを乞う
- 行政書士事務所に入る
- 本で学ぶ
- 行政書士会の研修を受ける
- 行政書士の実務講座を受ける
- 実務の実践で学ぶ
こう考えると、行政書士の実務講座は環境・進路・不安の種類によって、「今は必要ない」という判断も、十分に合理的なのではないでしょうか。
だからこそ、
- 自分は今、どの段階にいるのか
- 何に一番不安を感じているのか
ここを整理したうえで、行政書士の実務講座は必要になったら使う、くらいの距離感が、ちょうどいい関係だと感じています。
⇒ 行政書士の登録・開業に踏み出せない要因。これを乗り越えるにはどうしたらいいのか?
行政書士の実務講座で「後悔」する人の共通点

行政書士の実務講座についてよく聞くのが、
- 受けなくて後悔した
- 受けたけど後悔した
この両方です。
行政書士の実務講座を、受けなくて後悔するケース
行政書士の実務講座について調べていると、「高い」「不要」「独学でも何とかなる」という声も多く見かけます。
実際、それが当てはまる人もいます。
ですが一方で、受けなかったことを後悔する人が一定数いるのも事実です。
ここでは、私自身の経験や周囲の話を踏まえて、「実務講座を受けずに後悔しやすいパターン」を整理してみます。
⇒ 行政書士開業の準備:何から始めるべきか?準備期間に必要なことと心構え
何から始めればいいか分からず、結局何も始められなかった
行政書士の実務講座を受けなかった人の中で、かなり多いのがこのケースです。
行政書士試験に合格後、
- まずは何を準備すればいいのか分からない
- 開業?勤務?業務選び?情報が多すぎて整理できない
- 調べているうちに時間だけが過ぎていく
こうして、半年・1年と何も動けないまま時間が経ってしまう。
これは能力の問題ではなく、全体像が見えていないことが原因であることがほとんどです。
行政書士の実務講座は、正解を教えてくれる場ではなく、全体像を見せてくれる場なので、行政書士の開業を考えているならば、参考程度に少し覗いてみるのもいいかもしれません。
今後の進路の方向性が見えてくる可能性が広がります。
初案件を前にして、手が止まり強い不安に襲われた
知人や紹介で、思いがけず仕事の話が来ることがあります。
このとき、
- 手続きの流れが分からない
- 書類の書き方に自信がない
- 何を調べればいいかすら分からない
となると、想像以上の不安に襲われます。
「合格してるのに、こんなことも分からないのか…」
「失敗したらどうしよう」
「依頼を受けるのが怖い」
結果として、
- 依頼を断ってしまう
- 返事を先延ばしにしてしまう
という選択をしてしまい、せっかくのチャンスを逃したと後悔する人も少なくありません。
行政書士の実務講座は万能ではありません。
ですが最低限、何をどう調べればいいかという思考の型を与えてくれる点で、大きな意味があります。
調べる時間ばかり増えて、精神的に消耗した
「分からないことは自分で調べればいい」
これは正論ですし、行政書士を初め「仕事」「社会人」には必須の姿勢です。
特に行政書士を開業するとなると、事業主という立場になるからなおさらです。
ただし、問題は調べ方が分からない状態で放り出されること。
- どの法令を見ればいいのか分からない
- 先例・実務慣行の探し方が分からない
- ネットなど情報がバラバラで余計に混乱する
この状態が続くと、
- 1つの作業に何時間もかかる
- 正解かどうか分からないまま不安が残る
- 「自分は向いていないのでは」と自己否定に繋がる
と、精神的な消耗が一気に加速しかねません。
行政書士の実務講座は、「答え」をくれるわけではありませんが、調べ方・考え方の順序を示してくれます。
これがあるかないかで、実務に対するストレスはかなり変わるのではないでしょうか。
手探りの状態から、光が見えるような感覚になれば儲けものです。
周囲と比べて、焦りや劣等感を感じてしまった
行政書士の合格後、SNSやブログを見ていると、
- もう開業しました!
- 初受任しました!
- 月◯件受注!
といった投稿が目に入ってきます。
自分はまだ何もしていない。
実務もよく分からない。
この状態で情報だけを浴び続けると、「自分だけ遅れている気がする」「何か大事なことを見落としているのでは」と、根拠のない焦りだけが膨らんでいきます。
行政書士の実務講座を受けた人の中には、「正直、すぐ仕事ができたわけじゃない」「でも、今はこの段階と分かっただけで楽になった」という声も多いです。
後悔の正体は、「行政書士の実務講座を受けなかったこと」そのものより、安心材料を持たずに不安だけを抱え続けたことなのかもしれません。
「受けておけばよかった」と思うタイミングは、たいてい一番しんどい時に来る
行政書士の実務講座を受けなかった人が後悔するのは、
- 余裕があるとき
- 落ち着いて判断できるとき
ではありません。
多くの場合、
- 不安が限界に近づいたとき
- 何かトラブルが起きそうなとき
- 誰にも聞けない状況のとき
ではないでしょうか。
そしてそのときは、今から講座を探す気力すらない状態になっていることも少なくありません。
後悔するかどうかを分けるのは「受講」ではなく「準備」
ここまで読んで、「怖い」と感じたなら、それは行政書士の実務講座を受けるべきサイン、という意味ではありません。
大事なのは、
- 実務をどう学ぶかを考えているか
- 自分なりの準備をしているか
ではないでしょうか。
行政書士の実務講座は、その選択肢の一つにすぎません。
ただ、「何も準備せずに合格後を迎える」ことだけは、後悔につながりやすいという点は、強く伝えておきたいところです。
行政書士の実務講座を、受けて後悔するケース
行政書士の実務講座は、不安を減らしてくれる一方で、受け方・選び方を間違えると後悔につながることもあります。
ここでは、「行政書士実務講座を受けたけれど、結果的に満足できなかった人」に共通しやすいケースを整理します。
- 今の自分には早すぎた
- 内容を消化しきれなかった
- 高額だったのに使わなかった
ここから分かるのは、実務講座そのものが悪いのではなく、タイミングと選び方が重要ということです。
合格直後の不安だけで、勢いで申し込んでしまった
行政書士の合格発表直後は、気持ちが大きく揺れます。
- 早く何かしないと不安
- 周りが動いている気がする
- 今決めないと出遅れる気がする
この状態で申し込んだ行政書士の実務講座は、内容そのものより「安心感」を買っているケースが多いです。
その結果、
- 冷静になってから内容を見ると、今の自分には早すぎた
- そもそも開業するかどうか決めていなかった
- 必要性を深く考えていなかった
と気づき、「もう少し待てばよかった…」という後悔につながりかねません。
ボリュームが多すぎて、結局消化しきれなかった
行政書士の実務講座は、想像以上に情報量が多いものもあります。
- 動画が何十時間分もある
- 複数業務を一気に扱う
- 実務+開業+営業まで詰め込まれている
一見すると「お得」に見えますが、
- どこから手を付ければいいか分からない
- 最後まで辿り着けなかった
- 結局、必要な部分だけ少し見て放置
という状態になりやすいです。
この場合、講座が悪いというより、今の自分に対して情報量が過剰だったことが原因です。
そのため行政書士の実務講座を選ぶには、十分に調べて検討した上で申し込むことをお勧めします。
自分がやらない業務ばかりで、実感が持てなかった
行政書士の実務講座の多くは「網羅型」です。
- 許認可
- 相続
- 法人設立
- 各種届出
幅広く学べる反面、
- 自分はやらない業務ばかり
- 興味が持てず頭に入らない
- 「ふーん」で終わってしまう
ということも起こります。
結果、「確かに勉強にはなったけど、実務に活かせていない」「結局、また調べ直している」と感じてしまい、費用対効果に疑問を持つケースです。
この場合は行政書士の実務講座をきちんと調べてから申し込むことが重要ですが、その前に自分が行政書士としてどうなりたいか、つまりどんな業務に従事していくかのビジョンをしっかり持っておくことが重要なのではないでしょうか。
「受けたから大丈夫」と思ってしまった
意外と多いのがこのパターンです。
行政書士の実務講座を受けたことで、
- なんとなく分かった気になる
- 実務はこれで何とかなると思ってしまう
ですが実際の現場では、
- 個別事情が多すぎる
- マニュアル通りに進まない
- 調べる力が不可欠
です。
そのギャップに直面したとき、「講座を受けたのに全然できない」「こんなはずじゃなかった」と落胆し、講座への期待値が高すぎたことを後悔するケースがあります。
何事にも不足の事態は潜んでいます。
行政書士の実務講座を受けたから大丈夫ではなく、常に学びつづけることが、行政書士として仕事をしていくうえで重要になってきます。
今の自分の状況と、講座の前提がズレていた
行政書士の実務講座には、暗黙の前提があります。
- 開業予定である
- ある程度時間が取れる
- 具体的に動く気がある
- お金に余裕がある
ところが、
- まだ方向性が決まっていない
- 本業が忙しく時間が取れない
- 「そのうち」と思っている
こうした状態だと、講座の内容が重く感じられ、「受けたけど、今の自分には使えなかった」という後悔につながります。
後悔する原因は「講座」ではなく「選び方とタイミング」
ここまで見てきて分かるのは、実務講座を受けて後悔する理由として、講座の質そのものではないという点です。
- 今の自分に合っていたか
- 本当に必要な内容だったか
- 使い切れる状態だったか
ここを整理せずに選ぶと、どんな講座でも後悔しやすくなります。
だからこそ大事なのは「受けるかどうか」より「どう使うか」
行政書士の実務講座は、
- 不安をゼロにするもの
- 実務を完璧にするもの
ではありません。
あくまで、
- 最初の地図をもらう
- 迷子にならないための補助輪
のような存在です。
この位置づけを理解した上で選べば、行政書士の実務講座は受けてよかったに変わりやすくなります。
それでも行政書士の実務講座を検討するなら、見るべきポイント
ここまで読んでいただいて、「それでもやっぱり実務講座は気になる」と感じている方もいるはずです。
それは決して間違いではありません。
大切なのは、不安の勢いで選ぶのではなく、「今の自分に本当に必要か」という視点で見直すことです。
行政書士に登録・開業をするなら、まとまったお金が必要になります。
それに加えて行政書士の実務講座は高額になりがちです。
だからこそ、自分に合った講座、必要な講座を選ぶ必要があります。
後悔しないためにも、申し込む前に次のポイントを必ず整理しておくことをおすすめします。
- 網羅型か、業務特化型か
- 開業前向けか、即実務向けか
- 価格とボリュームのバランス
「高い=良い」ではなく、自分が使い切れるかどうかが一番大切です。
網羅型か、業務特化型かを見極める
まず最初に考えるべきなのが、「実務の全体を知りたいのか」「特定の業務を深めたいのか」です。
- 行政書士の仕事全体像がまだ見えていない
- 何から始めればいいか分からない
- 開業前で不安が大きい
このような場合は、業務を広く扱う「網羅型」の実務講座が向いています。
一方で、
- すでにやりたい業務が決まっている
- 相続・許認可など特定分野に集中したい
- 最短でその業務を形にしたい
という場合は、業務特化型の講座の方が、時間もお金も無駄になりません。
とりあえず全部学べそうだからという理由で網羅型を選ぶと、結局何をしたらいいか整理がつかず、消化不良になりやすい点は要注意です。
「開業前向け」か「即実務向け」かを確認する
行政書士の実務講座には、実は大きく2つのタイプがあります。
- 開業前の不安を整理するための講座
- 実際の案件対応を想定した即実務向け講座
前者は、
- 実務の全体像
- 開業後のイメージ
- 心構えや流れ
を学ぶことが中心です。
後者は、
- 具体的な申請書類
- 実際の進め方
- 細かい実務上の注意点
に踏み込んだ内容になります。
今の自分が「不安を減らしたい段階」なのか、「実務に入る直前なのか」を整理してから選ばないと、「内容は良いけど、今の自分には早かった」という後悔につながります。
⇒ 行政書士の広告規制。ホームページでやってはいけないこととその対策
価格とボリュームのバランスを見る
行政書士の実務講座は、数万円から十数万円するものも珍しくありません。
ここで気をつけたいのが、
- 高い=良い講座
- ボリュームが多い=お得
とは限らない、という点です。
重要なのは、
- 自分が最後まで使い切れるか
- 今の生活の中で学習時間を確保できるか
- 必要な部分だけをピックアップできるか
です。
「内容はすごいけど、結局ほとんど見ていない」これが一番もったいないパターンです。
サポートや質問環境の有無をチェックする
行政書士の実務講座は、「分からないときに聞けるかどうか」で満足度が大きく変わります。
- 質問対応があるか
- 回数制限はあるか
- 質問のハードルは高くないか
動画を見て終わりの講座と、質問やフォローがある講座では、安心感がまったく違います。
特に、実務に対する不安が強い人ほど、この点は軽視しない方がいいポイントです。
またサポートとは少し違いますが、行政書士の実務講座を受講した後、予備校によってはOB・OG会を開催しているところもあります。
この場は先輩行政書士との交流や、情報交換の場となっています。
特に伝手が薄い場合は交流の場となり、今後行政書士を続けていく上で、大きなメリットとなります。
「今すぐ受ける必要があるか」を自分に問い直す
最後に一番大切なのが、本当に今、受けるタイミングなのかという視点です。
- 開業時期が決まっていない
- まだ方向性が定まっていない
- 情報収集中の段階
であれば、
- まずは無料セミナー
- 資料請求
- 書籍やブログでの情報収集
から始めても、決して遅くありません。
実務講座は「逃すと損するもの」ではなく、必要になったときに取ればいいものです。
実務講座は「不安を消す魔法」ではない
行政書士の実務講座は、
- 不安をゼロにするもの
- 受ければ仕事ができるようになるもの
では決してありません。
あくまで、
- 最初の地図をもらう
- 遠回りを減らす
- 一歩目のハードルを下げる
ための道具です。
この前提を理解した上で選べば、「受けて後悔する確率」は大きく下がります。
行政書士の実務講座を検討するなら現実的な3タイプ

行政書士の実務講座と一口に言っても、「どんな人向けか」「どのタイミングで使うか」は講座ごとにかなり違います。
ここでは、行政書士試験に合格した直後の人が検討しやすい実務講座を、タイプ別に3つ紹介します。
※あくまで「向いている人の整理」が目的です。無理に今すぐ受講する前提ではありません。
行政書士の実務全体を把握したい人向け|網羅型の実務講座
こんな人に向いています。
- 行政書士の仕事全体像がまだ見えていない
- 開業後の流れを一度整理しておきたい
- 「何から手を付ければいいか分からない」状態を脱したい
このタイプの行政書士の実務講座は、相談〜受任〜業務完了までの流れを一通りなぞる内容が中心です。
細かいノウハウというよりも、
- 実務の地図を持つ
- 不安を言語化する
- 開業後のイメージを現実的にする
という役割が強い講座です。
「いきなり専門分野に突っ込むのは怖い」という人には、最初の一歩として使いやすい選択肢です。
網羅型の実務講座を扱う予備校
・アガルート
・伊藤塾
・辰已法律研究所
・行政書士実務研修センター
・行政書士の学校
・LEC
特定業務に強くなりたい人向け|業務特化型の実務講座
こんな人に向いています。
- すでにやりたい業務が決まっている
- 相続・許認可など、扱う分野を絞りたい
- 「実際にこの業務をやる」前提で準備したい
このタイプの講座は、特定業務についてかなり実践的に踏み込みます。
- 具体的な書類
- 実際の進め方
- よくあるミス
など、「試験では絶対に出てこなかった部分」が中心です。
すでに方向性が定まっている人にとっては、網羅型よりも満足度が高くなりやすい選択です。
逆に、まだ何をやるか決まっていない段階で受けると、「まだ早かった」と感じやすい点は注意が必要です。
⇒ 行政書士のダブルライセンスとして相性の良い資格と業務の方向性
業務特化型の実務講座を扱う予備校
・アガルート
・伊藤塾
・辰已法律研究所
・行政書士実務研修センター
・行政書士の学校
開業前の不安を減らしたい人向け|開業サポート型の実務講座
こんな人に向いています。
- 開業を意識し始めている
- 実務だけでなく準備面も不安
- 一人で始めることに強い不安がある
このタイプの講座は、
- 実務の基礎
- 開業準備の考え方
- 実務+αのサポート
がセットになっていることが多いです。
内容はやや広めですが、「一人で全部考えるのがつらい人」にとっては精神的な支えになります。
特に、
- 誰にも相談できる環境がない
- 周りに行政書士がいない
という人には、安心材料として機能しやすい講座タイプです。
個人的には、行政書士を開業して事務所を運営していくには、ノウハウが必要です。
そのためまだどの業務に主軸を置くか決めていない場合もそうですが、経営・運営について先に学ぶのがおすすめです。
実務はどうにかなっていても、運営(営業も含めて)がうまくいかずに(仕事がこない)、廃業する場合が多いからです。
開業サポート型の実務講座を扱う予備校
実務講座は「比較してから決める」でちょうどいい
ここまで見て分かる通り、実務講座に絶対の正解はありません。
いつこいようですが、大切なのは、
- 今の自分はどの段階か
- 不安の正体は何か
- 今すぐ必要なのか、まだ先でいいのか
自分の現状を把握し、未来のビジョンを整理したうえで選ぶことです。
だから私は、
いきなり申し込む
↓
後悔する
この流れよりも、
タイプを知る
↓
情報を集める
↓
必要だと感じたら選ぶ
この順番をおすすめしています。
実務講座は「今すぐ取らない」という選択もアリ
ここまで読んで、「やっぱり実務講座、必要かも…?」「でも、まだ踏み切れない…」そう感じている方も多いと思います。
結論から言うと、行政書士の実務講座は、今すぐ取らなくても問題ありません。
むしろ、行政書士の合格直後のタイミングで焦って申し込んでしまう方が後悔につながるケースも少なくないです。
合格直後は「判断材料」が足りていない
行政書士試験に合格した直後は、
- 自分がどの業務をやりたいのか
- いつ頃開業するのか
- 本当に今、実務知識が必要なのか
このあたりが、まだ曖昧な状態の人がほとんどです。
この状態で実務講座を選ぶと、
- 「なんとなく不安だから」
- 「取らないと置いていかれそうだから」
という理由が判断軸になりがちです。
その結果、
- 内容を消化しきれない
- 今の自分には早すぎた
- 結局ほとんど使わなかった
という「受けて後悔」に繋がることがあります。
実務講座は必要になった瞬間に取っても遅くない
行政書士の実務講座は、
- 試験のように年1回しか受けられない
- 今逃すと一生取れない
といったものではありません。
多くの講座は、自分が必要だと感じたタイミングで受講できます。
だからこそ、
- まずは開業するかどうかを考える
- 自分がやりたい業務を絞る
- 実務書籍や無料情報で感触をつかむ
こうしたステップを踏んだあとで、「これは一人では厳しいな」「ここはプロの講座を使った方が早いな」と感じた時に受講する方が、満足度も、吸収率も圧倒的に高くなります。
「取らない」=何もしない、ではない
ここで大事なのは、
実務講座を取らない
=
何もしない
ではない、ということです。
例えば、
- 実務書籍を1冊だけ読んでみる
- 無料セミナーや説明会に参加してみる
- 実務講座の資料請求だけして比較する
これだけでも、自分に足りないもの・必要なものはかなり見えてきます。
その上で、「やっぱり体系的に学びたい」「この業務は講座を使った方が安全そう」と判断できたなら、それは納得して選んだ講座になります。
⇒ 行政書士にダブルライセンスは必要なのか?メリットデメリットから考える
焦らなくていい。でも、考えるのを止めない
行政書士試験の合格はゴールではなくスタートですが、スタートの切り方は人それぞれです。
- 今すぐ動く人
- 少し時間を置いて動く人
どちらが正解ということはありません。
ただ一つ言えるのは、
不安だから何となく申し込む
これだけは避けた方がいい、ということです。
実務講座は、不安を埋めるための道具であって、不安から逃げるためのものではありません。
自分の状況を整理し、「今なのか」「まだ先なのか」を判断する。
その上で選ぶ行政書士の実務講座なら、きっと無駄にはならないはずです。
まとめ|行政書士の実務講座は「不安を埋める道具」。焦って選ばないこと
行政書士の実務講座は、全員に必要なものではありません。
ただし、
- 何も考えずに放置する
- 不安だけを抱え続ける
この状態が一番もったいないと、私は感じています。
行政書士試験の合格はゴールではなく、スタートです。
行政書士の実務講座は、そのスタートをどう切るかを助ける「道具」にすぎません。
自分の進路を言語化し、必要だと思ったタイミングで選ぶ。
時間ややりたいことを我慢して、努力の末手にした行政書士試験の合格です。
今まで、そして未来において後悔しないよう、参考になれば幸いです。
皆様の未来、そして成功をお祈りしております。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。








