「行政書士になりたい」「法律に興味がある」「手に職をつけたい」。
そんな気持ちから、行政書士試験に興味を持った方も多いのではないでしょうか。
でも同時に、こんな不安がよぎりませんか?
- 法律なんて一度も勉強したことがない…
- 法学部出身じゃないと合格できないのでは?
- 社会人で勉強のブランクがあるのに大丈夫?
でも安心してください。
私もそんな不安を持ちながら、法律知識ゼロのド初心者から行政書士試験に挑戦し、2023年に合格しました。
大学も法学部ではなく、現在の仕事はWEBやDTPなどのデザイン制作関係の仕事をしています。
畑違いの資格に挑戦をしたので、仕事や家の事の両立で正直しんどかったです。
ですが法律知識がなくても、完全独学で合格まで漕ぎつけました。

そう、行政書士試験は、法律知識ゼロの初心者でも合格できます。
でも、だからと言って決して簡単な試験ではありませんから、しっかり勉強は必要です。
何年も行政書士試験に挑戦している方や、法律を勉強したことがある方でも不合格になってしまうケースもあるくらい簡単ではないのです。
今回は法律知識ゼロの私が行政書士試験にどう奮闘したか、法律知識がなくても本当に合格できるのかにフォーカスし、お話ししていきます。
【結論】行政書士試験は法律知識ゼロの初心者でも合格できます!
まず結論から言います。



法律知識がゼロの状態からでも、行政書士試験は合格可能です。
現に私自身が、複数回受験していますが、法律知識ゼロから初心者で、また完全独学で行政書士試験に合格できたからです。
私は予備校に通っていませんし、当然その中には模試も答練(演習系の講座)も一切受講していません。
(合格の証拠?の合格証は当ブログのabout meに掲載させていただきました)
ここでこんな疑問が出るのではないでしょうか?
「どうせ頭いいんじゃないの?」と。


自分で言うのもなんですが、至って普通?可もなく不可もなく?です。
高校は偏差値が確か、当時50ちょいの超中堅校でしたし、看護専門学校に行ったので、最終学歴は高卒です。
今の仕事もWEBやDTPのデザイン関係なので、法律とデザインで使う脳が違うというか?
このような畑違いの私でも、法律系国家資格である行政書士試験に合格できました。
ただし、ここがポイントですが、だからといって簡単に合格できた訳ではありません。
行政書士試験は合格率が10%程度の試験ですので、法律系資格試験の中では簡単でも、世の中数多の資格からみたら、難しい部類に入る試験でもあります。
考えてみてください。
そう、行政書士試験は国のルールである法律を扱う試験です。
それが、そうホイホイ誰でも簡単に、合格させる訳にもいきませんよね。




行政書士試験は国家試験ですので、内容も実務に直結していないとはいえ、専門的(法律)です。
しかし、司法試験や公認会計士試験のように「高度な法的思考力」や「実務経験」が求められる試験ではありません。
行政書士試験の合格に必要なのは、私の経験上、以下のように考えます。
- 基本的な法律知識
- 法律知識をいかに使うか
- 試験に合格するための戦略的な勉強法
行政書士試験の問題は、法律を使ったパズルのようなものです。
そしてこれらは、特別なセンスや前提知識がなくても、正しい手順で勉強すれば誰にでも身につけられるものです。



相応に勉強は必要ですが……。
私がそうであったように、法律のことを何も知らず、「行政法ってなに?」「条文って読むの?」というレベルからでも、最終的に行政書士試験に合格できるということを、まずはお伝えしました。
法律知識ゼロの初心者が行政書士試験に対して抱える不安とは?
行政書士試験に興味を持っても、最初の一歩を踏み出せない人はとても多いです。
特に、法律を勉強した経験がない方が感じやすい不安は、以下のようなものではないでしょうか。
- 法律用語が難しすぎて理解できないのでは…
- 法学部出身者と比べて不利なんじゃ…
- そもそも行政法や民法ってどんな法律?聞いたことすらないんだけど大丈夫?
- 何から手をつけていいのか分からない
これらはすべて、私が最初に感じたことでもあります。



でも、ここで大事なのは「最初から分かる人なんていない」ということです。
実際に行政書士試験に合格した人の中にも、法学部ではなく理系出身の方や、法律とは無縁の仕事をしていた社会人、主婦の方、定年退職後のシニア層など、実に多様な人がいます。
特に行政書士試験は受験資格がないので、年齢も職種も本当に様々なんです。
つまり、今まで法律を勉強したことがなくても、行政書士試験に挑戦することは誰でも可能なんですね。
ではここから、ちょっと上記の不安を深堀してみましょう。
法律用語が難しすぎて理解できないのでは



最初は分からなくて当然!でもちょっとずつレベルアップしていけば大丈夫。
私も最初何をやればいいか分からなかったので、取り合えず書店で行政書士試験用の基本書テキストを購入して読み始めました。
最初は行政書士試験用の基本書を読んでも意味が分からない事も多く、読むのに時間が掛かりました。
でも続けて、繰り返して読んでいくうちに、法律系の文章に慣れてきましたし、意味も分かるようになり、スラスラ読めるようになってきました。



繰り返す作業はつまらないけど、勉強する過程ではとても大事です。
特に私は法律用語の漢字の意味を考えながら、読むようにしました。
そうすると覚えやすくて、理解も早かったように思います。
例えば簡単な所で、民法で出てくる債務不履行の意味を考えてみます。
簡単に言えば、債務者が債務を履行しないことです。
法律の勉強が初めてだと、簡単に言われてもわかりにくいですよね。
これを漢字で考えてみると、
「債」は借金とか借財の意味の漢字です。
「務」は義務の意味もあります。
すると「債務」で借金とかの、何か返さないといけない義務があるんだな、と分かります。
「履行」は行う事、「不」が付くとマイナス要因で、「不履行」は履行しない。
つまり「債務不履行」で、負った義務を行わないんだな、と分かります。
もちろんそれぞれの用語で、前後の文章からの意味や使われている場所で、細かい判断が必要ですが、大まかな意味の把握はできるのではないでしょうか。
上記の例のように、ここまでいちいちバラケテ考える必要はありませんし、それは時間がもったいないです。
要は想像を働かせながら、文章を読んでいくことが大事なのです。



漢字は言葉の意味を表すことが多いので、法律を理解する上でも、とても参考になりました。
日本語って何だか便利です。
そうこうしていると難解な法律用語もパズル的な感覚で、読んでいて苦にならなくなってきました。
法学部出身者と比べて不利なんじゃ
当然比べてしまうと、法学部出身者の方が有利と言えるでしょう。



だって、法律の勉強をしたことがあるからです。
ですが行政書士試験という舞台でみると、あながちそうともいいきれません。
その理由は以下のように考えます。
- 例え法学部でも、行政書士試験に必要な知識を勉強したとは限らない
- 学生時代から離れていれば、知識を忘れていることも
- 行政書士試験には法律知識以外の科目(基礎知識)が出題される
確かに法学部出身というのは、今まで法律を扱ったことのない初心者からしたら、とてもアドバンテージがあるように感じます。
法律的な考え方を知っていれば、解答を導きやすいからです。
しかし人間が忘れる生き物です。
現役生であればまだ違いますが、どのみち法学部出身者も行政書士試験用の勉強をしないと、合格は難しいでしょう。
もし法学部系の方が簡単に合格できる試験なら、行政書士試験の合格率はもっと高いはずです。
このことから、法学部云々に関しては、あまり気にする必要はないと考えます。
法学部出身であろうと、なかろうと、行政書士試験に即した勉強をして、レベル上げをし、行政書士試験に太刀打ちできるように努力するのは誰だろうと変わりません。
そして行政書士試験は、司法試験や予備試験、司法書士試験と、他の法律系国家資格と違い絶対評価試験です。





合格点を取れれば、皆合格です。
他の受験生が法学部出身者だろうと関係ありません。
自分が合格点を取ればいいのです。



ライバルは自分自身です!
知識の有る無し、スタートラインは違います。
確かに法律の前提知識がある、法律的な考え方が身に付いているのとでは、合格への道の険しさは当然違います。
ですが法律を勉強してきた人が行政書士試験に絶対合格できているか、と言えばそうではないんです。
いかに行政書士試験に向き合い、勉強をして合格にたどり着けるか、自分自身の課題でもある試験だと感じました。
そもそも行政法や民法ってどんな法律?聞いたことすらないけど大丈夫?
行政法と民法は行政書士試験の主要科目のため、ガッツリ勉強する必要があります。
そもそも行政法は「行政法」という法律がある訳でもなく、行政関連の法律を総称して呼ばれている呼称と言ってもいいでしょう。
詳しいことは割愛しますが、行政法は簡単に言えば行政の行動を規定する法とも言えます。



私も勉強を開始する前は「行政法」という法律があるものだと思っていました。
民法の方が私たちの生活により身近な法律になります。
売買、コンビニでパンを買うとか、車を買う、家の賃貸契約をする、借りたら返す。
これらは民法で規定されているので、イメージはしやすいかもしれませんね。
私自身も行政法や民法はこんな程度の認識でしたので、ここからスタートをしても、行政書士試験の合格に手が届くことは証明できたと思っています。
私なりの勉強ポイントとしては、問題でも解説でも、常にその内容をイメージしながら向き合うことが重要だったなと感じています。
ただ文字を追うだけより、頭の中でイメージを持って勉強を進めれば、暗記や理解の手助けになること間違いなしです。
何から手をつけていいか分からない
行政書士試験に合格するには、勉強の方法も重要です。
関係ないとは言いませんが、試験内容に準じたルートから外れると、合格は遠のきます。
そのため、まずはたくさんの教材に手を出し過ぎないことです。
私は何を使って勉強をしたらいいか分からなかったので、最初は、判例集や予想問題集など、基本を固めるためにも買った方がいいのかと色々調べていました。
ですが法律初心者ですと、結局時間もなくやり切れないですし、逆効果と判断して、勉強するアイテムを主に過去問だけに絞りました。


私が選んだのは肢別過去問集ですが、これを使い倒すと決めて集中して勉強していきました。
法律の勉強が初心者ですと、本当に勉強について途方に暮れます。
もし金銭的な余裕があるのであれば、やはり予備校を活用するのが、合格への近道となります。


行政書士試験のレベルは?初心者が目指せる国家資格なのか
法律知識ゼロの初心者が不安になる理由のひとつに、「そもそも行政書士試験ってどのくらい難しいの?」という疑問があります。
この点も、きちんと理解しておくことが大切です。
行政書士試験の合格率は、例年だいたい10%前後。
これだけを見ると「狭き門」に見えますが、実はこの数字には“落とし穴”があります。
というのも、行政書士試験は誰でも受験できる試験なので、試し受験やノー勉強受験の人も多く含まれています。
いわゆるガチ行政書士試験受験生以外が多いということです。


本気で対策を積んだ人だけで見ると、30〜40%の合格率とも言われています。
しかも、司法試験や司法書士試験のように「法律の深い論述」や「実務的な知識」は求められず、あくまで「選択肢を選ぶマークシート式の試験」が中心。
つまり、法律知識ゼロの初心者でも“勉強量”と“戦略”さえあれば、合格ラインに到達可能な試験なのです。
法律知識ゼロの初心者でも理解できる!行政書士試験の主要科目と攻略法
行政書士試験は、以下のような構成になっています。
- 【法令科目】行政法・民法・憲法・商法会社法・基礎法学
- 【基礎知識】一般知識・行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令・情報通信・個人情報保護・文章理解
ここで特に配点が大きく、かつ初心者にとって“壁”になるのが行政法と民法です。
そして法令科目全体に言えることですが、ただ暗記するだけでなく、内容を理解する勉強がとても重要です。
この理解度が伸びれば、点数も一緒に伸びていきます。
少なくとも、私はそのような手応えがありました。


行政法の特徴と初心者向け対策
行政法は「行政のルールを決める法律」で、他の試験ではあまり扱われない特殊な科目です。
最初はなじみがなく、苦手意識を持ちやすいですが、行政書士試験では最も重要な科目です(全体の約40%の配点)。
初心者でも対策しやすいポイントは、行政法は“繰り返し出る論点”があること。
判例も頻出でパターン化されており、一度理解すれば得点源にしやすいです。
まずは過去問で出題傾向を把握して、何度も聞かれているような問題は、確実に点が取れるように過去問を何回も勉強することがおすすめです。
民法の特徴と初心者向け対策
民法は「人と人との法律関係(契約・財産・相続など)」を扱う法律です。
条文数が多く、抽象的な概念も多いため初心者泣かせですが、生活に身近な法律でもあるので、内容によってはとてもイメージしやすいのが民法です。
例えば、賃貸契約や売買契約など、普段の生活に関係ある事例で理解するようにすると、ぐっと覚えやすくなります。
具体例と結びつけることで、理解度が格段に上がります。
行政法と同じく、理解度が上がると点数も伸びやすいです。
常にイメージ内容の情景をイメージしながら勉強すると、忘れにくくなり、理解も捗ります。
法律知識ゼロの初心者がやりがちなNG勉強法とその回避法
勉強を始めたばかりの頃、私もたくさん失敗しました。
特に法律知識ゼロの初心者は、以下のようなNGパターンに陥りやすいです。
- 全ての用語を完璧に覚えようとする
- 難しい本や六法にいきなり手を出す
- 問題を解くよりも読むばかり
この1つ1つを、ここから確認してみましょう。
成功体験を真似することは、合格に近づく方法です。
しかしその成功体験が万人に合うとは限りません。
それよりもまず法律知識ゼロの初心者は、やってはダメなことを避けていった方が、失敗が少ないので、是非考えてきてください。
全ての用語を完璧に覚えようとする
法律知識ゼロの初心者は、最初の頃は基本書や問題文を読むだけで、時間がかかりますし、疲労度が強いです。
そのため最初は「理解7割・暗記3割」位のイメージで勉強を進めていくことがおすすめです。
勉強は繰り返すことが基本なので、繰り返すごとに理解度やヒラメキが増え、「理解7割・暗記3割」の理解部分の数字が上がっていくはずです。
難しい本や六法にいきなり手を出す
法律知識ゼロの初心者は、まずは市販のテキストや過去問で十分です。
難しい本に手を付けても、結局理解できず時間だけが過ぎていくということになりかねません。
何度も繰り返し勉強をして、少しづつ積み上げていくことが、遠いようで合格に近い勉強法です。
また勉強をすると言っても、法律の学者になる訳ではないですよね。
あくまでも行政書士試験に合格することが目標です。
そのため行政書士試験に即したテキストや過去問を使い勉強していくことが必須です。


問題を解くよりも読むばかり
人間は忘れる生き物なので、身に付けるためには、繰り返し動作が必要です。
とは言え、ただテキストを読んでいるだけでは、なかなか知識は定着していきません。
その知識を使ってこそ、身に付けることができるんですね。
行政書士試験だって、問題を読んで解答しないと点数になりません。
つまり身に付けた知識を吐き出す作業が必要なんです。
そこの重要なのが、世にいうインプットとアウトプットです。
大まかにいえば
- インプットは読んだりして知識を蓄えること
- アウトプットは蓄えた知識を使うことで、知識を使うことでより定着していく過程
「読んだ→解いた→間違えた→覚えた」というサイクルを繰り返すことで、法律知識ゼロの初心者でも自然に法律に強くなっていきます。
今回のまとめ。法律知識ゼロの初心者でも行政書士試験は“学べば合格可能”な資格
行政書士試験に必要なのは、「法律の才能」ではありません。
必要なのは、理解しようとする姿勢と、あきらめずに積み上げる継続力です。
法律知識ゼロからのスタートは、決して不利ではありません。
むしろ、「変なクセがない分、まっすぐに法律と向き合える」というメリットもあります。
私自身、その立場から合格できたことで実感しています。
この記事が、これから行政書士を目指そうとしているあなたの背中を、少しでも押すことができたなら嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。